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起業について④「既存のものを大事にしよう」

司法書士矢田真生子のお役立ちコラム コラム

司法書士の矢田真生子です。

起業シリーズの4回目です。
商業登記に関心のある方はもちろん事業に関心のある方だろうと思い、このページにコラムを書き始めました。

私は渋谷でTOEIC対策スクールを経営しています。
約10年ぐらいやっており、その間に司法書士資格を取りました。
起業をして5年ぐらい経過すると、
司法書士試験の勉強をし始めてしまうぐらいのエネルギーと時間の余裕を得ることが出来ました。

英語の塾の中でも自分の事業としてやるのであれば、TOEIC対策はいいですよ。
何がいいって有名です。
受けたことはなくてもそういう試験があるってことを、ほとんどの社会人の方が知っています。

「ほとんどの人が知っている」という状態にとてつもない価値がある。
こんな価値を無視しちゃいけない。なのに目に見えないから無視するんだ。

スティーブン・ジョブズはやったじゃないか!世界を変えたじゃないか!自分にもできる!
全く新しい物を作るんだ!と思っている人も多いんですが(本当に!)、無理です。
それにジョブズだって、何か既にあるものに乗っかったんですよ。

既にある有名なものに乗っかりましょう。

あるスクール(多分お客さんが一人も来ないままなくなった)を観察していると、
ホームページで「私はTOEICのような資格試験対策の授業は一切しないというポリシーです」と謳っていました。
じゃあどうやって上達を測定するのかというと「独自のテスト」を開発したとのことでした。

そのスクールが出来て一年後ぐらいに、また様子を見てみると「TOEIC対策セミナー」を開催すると書いてありました。
「普段はTOEICの対策をしない方針の私が、この度特別に講義をします」ということでした。
どうもそのセミナーも一人も来ず開催できず、そのスクールは終わったようです。

そのスクールの存在に気が付いた人、ほとんどいなかったと思います。
私はたまたま以前に私のところに少しいた人が関わっていたので気が付きました。
そういうことでもなければ気が付かなかったはずです。
つまり、誰もそのスクールの存在に気が付いていなく、誰にも気が付かれないまま、終わったのだと思います。

起業の失敗って、誰にも気が付いてもらえないから失敗するので、失敗したことにも気が付かれないのです。
世の中に誰にも知られずに終わってしまった店や会社やスクールはたくさんあります。
起業した中の8割ぐらいが、ほとんど気が付かれずに終わってしまうのです。
だから、「気が付いてもらう」ということの価値を、目に見えないですが、めちゃくちゃ意識しなくちゃダメ。

TOEICなら気が付いてもらえる。
看板が目に入ったら認識してもらえる。
でも、「矢田真生子が開発した独自のテスト」じゃ無理なんです。
矢田真生子なんて、誰も知らない。自分のことなんて誰も知らない。自分じゃなくて誰もが知ってるものを前面に出す!
この意識、めちゃくちゃ大事です。
そうじゃないと、まず気が付いてもらえるという段階にすら進めないのです。

TOEICに乗っかっても、乗っかった中で、自然に独自性は出てきますので、乗っかった後に独自性を頑張ればいいじゃないか。

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